「デザインウィーク京都」が2月21~28日、京都市内で開かれた。伝統工芸の工房やメーカー、専門店などクリエーティブに携わる135社が、ものづくりの現場が見られる〝オープンハウス〟やイベントを企画した。
イベントの指揮を取るのは、日本の文化・技術をコーディネートするコスキョウトの北林功社長。米ポートランドのデザインウイークを訪れた際、町工場やデザインスタジオがオープンハウス形式で参加する様子にヒントを得た。
「京都は世界に誇れる独自素材や高い技術が集まっているにも関わらず、横のつながりが少ない。点を線に結ぶイベントを企画し、新しいことが生み出せたら」と考えた。行政には頼らず、京都信用金庫などの民間企業の協力で参加者を集めた。
期間中は、学生やクリエーターなど、「京都のものづくりに関心はあるが、敷居が高くて入りづらい」と感じていた人たちが訪れた。次回はさらに参加者を募り、年1回ペースで開催したい考えだ。
企画から販売まで一貫するラッセルレース専門メーカーの富士ニッティングは、工場と6000点以上の素材見本が並ぶショールームを開放し、普段は取引先にしか公開しない独自技術を社長自ら紹介した。同社の創業者は「日本のラッセルレースの草分け」といわれ、工場にある編み機も80年前の貴重なものだ。
糸のテンションや速度を調節するため、機械の一部分には竹を使い、鉛の重りがつるされている。透け感のあるラッセルレースのイメージを覆す意匠性に優れた素材を展開しており、ウールや紙糸、フィルム糸などユニークな糸使いにチャレンジしている。