メンズオーダーシャツ主力のシャツメーカー、ドゥ・ワン・ソーイング(東京)は、新年度(23年5月期)からパターンメイドシャツ採寸専用のボディースキャナー「オートメジャー」を活用したオーダーシャツで新販路の開拓を目指す。米国法人を通じた輸出は引き続き強化し、5年後に5億円を目指す。
ボディースキャナーは、大手フィットネスクラブや病院、大学などで利用され、体の形状をミリ単位で3D計測可能な機器を応用するもの。従来のオーダーシャツのようにフィッターがいなくても精度の高いサイジングが可能。百貨店などに向けて提案し、まず6月に東京オフィスにデモ機を導入する。
米国輸出は19年、ニューヨークに設立したドゥ・ワンUSAを窓口にしている。現状は「徐々にエージェント契約が進み、受注が入っている状況」(土井順治社長)。次の成長に向けた大きな柱に据える。
今期(22年5月期)はコロナ禍から回復の手応えをつかんでいる。厳しい月も前年同月比15%減と踏ん張り、今年3月後半からは工場がフル稼働中だ。売上高は前期比5%増になり、営業損益も黒字の見通し。4月には創業70周年を迎えた。
主力事業のビジネスモデルでは、テーラーショップをはじめとする専門店や小売店約750店へ、付加価値の高いオーダーシャツを卸販売。専門店とはウェブによるオーダー受注システムを結び、岡山県玉野市にある自社工場を中心に生産している。ドレスシャツの平均価格は1万3000円。「アルモ」「カンクリーニ」「トーマス・メイソン」など様々な生地在庫を揃え、高級ラインも扱う。