BANSAN/伴真由子さん来秘レポート(横塚永美子)

2016/10/31 00:00 更新


去る8月の下旬、日本の外務省による*「日本ブランド発信事業」のプロジェクトの一環で日本若手ファッションデザイナーのホープ、「BANSAN」の伴真由子さんが来秘した。

今回4日間によるペルー・リマ滞在中ではセミナーとワークショップ、大手紡績工場ITESA(イテサ)見学とペルー大使公邸でのコレクションパーティが開催された。


写真左:在ペルー大使の株丹達也氏 右:デザイナーの伴真由子氏

 

*日本ブランド発信事業とは 日本の強みや日本的な価値観,伝統,現代日本を形作る文化的背景等,日本の多様な魅力を海外に発信し,日本全体のブランド向上に資するため、発信力のある様々な分野の専門家を海外に派遣し,それぞれの特性を生かした講演会及びワークショップ又はデモンストレーション等を実施すること。(外務省本文より)

2012年に装苑賞2位、国際交流基金ニューヨーク派遣のプロジェクトにも参加した経験や、何よりブランドを立ち上げる以前は、民族衣料を得意とする老舗企業で6年間デザイナーとしての実績もある。

彼女のコレクションは、ベタな日本伝統文化そのままではなく、伴さんの感性を通して日本の伝統文化をかみ砕き、モードにも、ストリートファッションにも対応できる。そんな商品デザインと物づくりに対する姿勢が評価されているのだ。

リマ滞在初日、サンイシドロ区にあるプロムペルーにて自身のヒストリーや日本の伝統美をどのようにしてデザインに落とし込むか、また、エスニックブランドのデザイナーとしてインドやタイに出向き他国の伝統文化をどのようにして日本のマーケットに合わせたのかなど、ペルーの伝統や文化を伝えたいデザイナーまたはファッション専門学生や起業家にはとても聞き応えのあるセミナーだった。

 


プロムペルー会場でのセミナーの様子

 

セミナーの終了後2016AWのコレクションもショー形式でお披露目してくれました。

 


中央:伴真由子氏とコレクションモデルたち

 

コレクションのテーマは‘待ち人きたり’。日本伝統工芸のキリコやおみくじなどをモチーフにしたレトロモダンでかつ捻りのあるデザインが多く、コレクションテーマにとても興味があったので話しを伺ってみた。

橋の上で愛しいだれかを待っているドキドキ感や高揚感、その待ち人が‘キタ!’時の嬉しさを表現したかったそう。その大切な約束の前日にはクローゼットファッションショーが始まり、頑張りすぎず、オシャレに見えるようにパンツにしようかスカートを履こうかと悩むあの楽しい?時間も誰でも少しは共感してくれるハズ。

90年代のあのJR東海のCM、シンデレラエキスプレスシリーズにもインスパイアされ、携帯やネットがまだ一般的に普及しておらず、待ち合わせの約束が簡単ではなかった時代の想い、そしてその約束のための服が今回のコレクションイメージであると。嬉しそうに話してくれた。誰かの唯一の存在になりたいと願う女心がつまったコレクションである。 ■BANSANのコレクション

ワークショップは、私たちのプロジェクトを協力してくれているリマ市内にあるファッション専門学校NINAデザインで行われた。伴さんが日本から事前に用意してくれた着物のハギレや帯で自由なデザインでつけ襟を作った。およそ20人ほどの学生が集まり初めてみる着物に数人はどぎまぎ。

 


ワークショップの様子

 

さすが、ラテンアメリカ?!な着物のエッセンスがまるでゼロの?デザインがほとんど。文化って面白い。。と改めて感じた。。笑

 


 

最終日には大手紡績工場ITESA(イテサ)の工場見学に。2時間以上かけて工場内ですべてのプロセスを説明してくれました。

 


染色プロセスや品質管理の説明までも

 

最後は最新の製品紹介と国内外の受注生産も受けられると数々のブランドのサンプルもプレゼンしてもらえました。

 


 

伴さんを囲みITESA会長とそのご家族、コーディネートをしてくれたデザイナー、ハルミモモタさん(写真左)と記念ショット。

 

 

 

海外に居てこそよりわかったこと、、、文化交流って思いのほかいいですね~。ペルーでまたこういうアパレル関係での機会があればいいですね。伴真由子さんをはじめ、関係者のみなさまもお疲れさまでした!

それではチャオチャオ☆



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