ファクトリエ、来年100店目標

2016/07/19 06:28 更新


《ローカルでいこう》洋服の地産地消めざす 各地域の個店と協力 


 洋服の地産地消を目指すには地方の個店との協力が大切――国内工場直結型ブランド「ファクトリエ」を自社ECサイトで販売するライフスタイルアクセント(熊本市)は今春から各地の個店と協力し、地元の工場で作られる洋服や雑貨などを地元の消費者に届け始めた。

  まずは関東の3店(神奈川県横浜市のアイリーヨコハマ、埼玉県川越市のソコノワ、千葉県柏市のトゥルー)からスタートし、今年10~20店に増やし、来年100店を目標に拡大する計画だ。

 「地元の工場や個店の魅力を知らない人が多いのが現状。今回の取り組みを通して、作り手と伝え手と使い手がつながって地域の交流が生まれてほしい」と山田敏夫社長。

  ファクトリエは30前後の国内工場と提携し、上質でベーシックな商品を揃え、地域の工場のタグを付け、自社サイトで物作りの現場の映像や作り手の思いを紹介するなどストーリーを伝えることで消費者の共感を呼んでいる。

 今回、取り組む個店が自店のテイストに合うサンプルを選んで店頭に並べ、各店に提供されたiPadを使い、ファクトリエのサイトで消費者が購入する。サンプル以外のアイテムも購入が可能。

  店頭から購入した分は個店にマージンが入る。パートナーショップとなる個店のメリットは「①新規を中心にした集客効果②在庫リスクがない③既存の商品構成以外の品揃えが可能」(山田社長)と強調する。

 ファクトリエ側は東京・銀座のフィッティングスペース以外にも実物を見られる拠点が増えるメリットもあるが、それ以上に「地域の店をベースに作り手と共同のイベントや工場見学ツアーをすることで、将来的に工場の人材確保につながるのが理想」としている。

ファクトリエを扱うパートナーショップの一つ、柏のトゥルー
ファクトリエを扱うパートナーショップの一つ、柏のトゥルー

■取り組み先の一つ、柏のトゥルーの武田記幸代表 新しいことにチャレンジすることで店の刺激になる。ベーシックで長く愛される商品を揃えている店なので、ファクトリエとの親和性も高く、取り組みやすかった。スタートから数カ月、コンスタントに売れている。今まで来店しなかった大人の男性がポロシャツを購入してくれるなど新規客も増えている。すでに既存顧客でもリピートしてくれた人もいる。今後、地元でイベントもしてみたい。

(繊研 2016/06/09 日付 19488 号 1 面)



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