新型コロナウイルスによる様々な「自粛」は少しずつ解除の動きが見え始めているが、マスクの着用はこれからも「生活様式」として残りそうだ。需要が増すマスクをコレクションの端切れや残布でおしゃれに作って販売するブランドもたくさんある。
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「アンリアレイジ」がオフィシャルサイトで販売しているのは残布のパッチワークのマスク。色も柄も質感もミックスした目立ちそうなタイプ、柄やトーンを揃えた大人っぽいものまで様々だ。パッチワークはアトリエで製作し、マスク縫製は工場に出している。おしゃれなだけでなく、5層の高機能フィルターを差し込んであるというのも売り。1枚5000円で、売り上げの3割を国立国際医療研究センターに寄付する。
「ギャルデコレクティブ」は、大切にとっておいた、コレクションのサンプル作りで余った生地を使う。サンプルから半年ほど後の量産の時期には、湿度や気温の変化などで仕上がりが異なる場合があり、品質を揃えるために生地が残ることがあるのだ。マスク作りはアトリエとスタッフそれぞれの自宅。立体タイプは2枚セット1800円、タック入り1枚1000円。S、M、キッズサイズ。一番人気は白のジャカード。ECでマスクを入り口に、ほかの商品の販売にもつながっている。また、生地を細く切ってつないだ〝Tシャツヤーン〟で編んだコースターも作っている。そのオンラインワークショップも計画中。
沖縄発のリゾートシャツブランド「パイカジ」(ジュネ)は、オリジナルプリントの残布や端切れで作る。オンラインストアと那覇市の国際通りの直営店だけの限定品だ。パイカジらしいカラフルでトロピカルな柄の綿、麻で、内側はガーゼや天じく。「マスクもおしゃれに楽しく、少しでも気持ちが上がるよう」にとの思いを込めた。1800円。
グランドフロアは「ヨシオクボ」「ミュラーオブヨシオクボ」、ユニセックスの「アンデコレイテッド」で、過去のコレクションで使った生地のマスクを販売した。4月半ばにSNSで発信して初日で完売。4月26日に再販してまた売り切れた。ヨシオクボはジャージーにロゴ刺繍を入れたシャープなデザイン。ミュラー・オブはさりげない光沢に細かなドット刺繍と、クリーンな風合いのウールの2種。アンデコレイテッドはグレージュとチャコールの綿・麻で、ひもで結ぶ仕様。主要取引先へのサービス、自社ECでのノベルティーと、可能な範囲での販売を行った。