【ファッションとサステイナビリティー】ドゥーラック今堀陽次社長 過剰在庫の解決、福祉と雇用で

2022/10/28 05:29 更新


今堀さん

 メーカーや小売りの過剰在庫を買い取り、廉価で販売するドゥーラック(京都府長岡京市)は22日、西友長岡店に主力の「ラックドゥ」をオープンした。ドゥーラックの今堀社長が兼務する障害者就労継続支援事業のパララックス(京都府宇治市)及び大手子供服メーカーとの3社協業による初の店舗だ。検品や品出し、ウェブ用の写真加工や採寸などの業務を障害者に委ねているが、今回は販売も担う。今堀社長は、「環境配慮と福祉・雇用という複数の課題解決につながる事業。メーカーとの取り組みをもっと増やしていきたい」と話す。

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 コロナ禍で損益ぎりぎりの店舗は一気に減らしました。現在は小型、大型含め12店を運営。そろそろコロナも落ち着いてきたこともあり、10月は5店オープンしました。テナントとして入居するイズミヤの店舗は集合レジを使えるので、そこの5店は無人店舗です。

 西友長岡店は、小売りのドゥーラックと障害者就労支援のパララックス、商品供給を担う大手子供服メーカーの3社連携の事業です。近隣の卸先への配慮もありメーカー名は言えないのですが、店舗には社名と同社のコメントを掲載したボードを掲げています。

 「視差」を意味するパララックスは昨年10月に立ち上げました。これまでも3up(サンアップ)というA型の就労継続支援事業所を運営してきましたが、今回のパララックスは「就労継続支援A、B多機能型」です。就労支援事業は、通常の事業所での雇用が難しい障害者に対して就労機会を提供し、知識や能力向上のために必要な訓練を行います。雇用契約を結ぶ「A型」と、結ばない「B型」の2種類があります。前者は最低賃金以上の給与を支払い、後者は外部委託費用を支払う形態です。まず就労を目的とするB型は訓練を通じてAを目指し、A型は一般就労へのステップアップに挑戦します。A、B多機能型にしたのは、より広い障害者の就労機会を創出するためです。

 西友長岡店はセルフレジを導入しましたが、接客にも挑戦してもらいます。障害者理解が乏しいのは仕方ありませんが、接客に向き、不向きがあるのは健常者と同じ。もちろん、いきなり接客というわけにはいかないので、実習期間を設けています。障害の内容によって合う仕事を探すのが我々の役割。仕事が見つかれば、人とのコミュニケーションを学んでもらったり、集中し過ぎてしまう人は自ら適度に休憩するとか、仕事を通じて身に着けてもらいます。その人の「特性」を見つけて「得意」にしてもらい、最終的に仕事が好きになってもらえばいい。

 SDGs(持続可能な開発目標)には、環境問題だけでなく、福祉や雇用もあります。今回の取り組みは、廃棄しない二次流通をベースに、福祉と雇用も満たせる事業で、社会性は非常に高い。だから協力してくれるメーカーや小売りはもっと増えてほしい。そういう意味では、今回協力してくれたメーカーには感謝しかありませんし、勇気をもらえました。大きな会社が協力してくれると流れを変えられる、そう信じて今後も各所にお声がけしていきます。

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