ファッションビジネス(FB)という言葉が日本で使われ始めて57年。そのきっかけとなった『ファッション・ビジネスの世界』(68年)を翻訳・出版したのが、旭化成出身で元IFI(ファッション産業人材育成機構)ビジネススクール学長の尾原蓉子さんだ。長いキャリアを振り返ると、「生涯FBの探求を続けている」と尾原さん。変化の激しい時代のなかで、今後も「真のプロフェッショナルの育成が重要」と話す。
(若狭純子)
「こんなにリスクのあることをやるのか?」。同書の翻訳当時は、そう聞かれることも多かったという。日本では、糸・テキスタイルを担う素材メーカーからアパレルメーカー、小売りが一貫した形で物作りや販売を行うFBの発想のない時代だったからだ。