《GHG削減への道筋㊤》排出量の「定規」を作る

2024/06/07 12:30 更新会員限定


 「地球沸騰」(国連のグテーレス事務総長)とも言われる急激な気候変動に対して、アパレル業界でもCO2(二酸化炭素)などGHG(温室効果ガス)削減が強く求められている。前提となるのが排出量算定だが、産業構造の特性もあってハードルが高い。そこで今年3月、日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)はジャパンサステナブルファッションアライアンス(JSFA)と協力し、特に排出量の多いサプライチェーンからの排出量算定に向けた「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定方法基本ガイドラインに関する業種別解説(ファッション産業)」(以下「解説」)を公表した。取りまとめた関係者への取材から、今後の課題解決への道筋が見えてきた。

(特別編集委員・矢野剛)

 排出量算定はそれ自身が目的ではない。再生可能エネルギー利用や環境配慮型原材料を使うことのみを過剰に表現することは「グリーンウォッシュ」と見られるリスクがある。実際にどれだけの排出量を削減できたか、排出量算定はその基礎となる「定規」(ワールド)のようなものだ。今回の解説も、その定規を作ることをまずは優先した。

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