想像力刺激する「グッチ・ガーデン」がフィレンツェに

2018/01/15 04:29 更新


 グッチは9日、伊フィレンツェのメルカンツィア宮殿内に、アーカイブコレクションやそれぞれの時代を象徴するオブジェなどを揃えた「グッチ・ガーデン」をオープンした。

 クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレの発案で生まれた空間で、ブランドの中核となる折衷主義的なクリエイティビティーとさまざまなストーリーの探求が楽しめる。1337年に建てられた歴史的建造物は、11年にグッチ・ミュゼオとしてオープン。今回新たにクリエイティブ空間として再生した。


 ギャラリーは2フロア。「ダブルG」やローファーなどブランドを象徴するアイコンやモチーフに焦点を当てた展示室のほか、ウェアやアクセサリーをはじめとするアーカイブコレクション、ビデオインスタレーション、文献、クラフトワークがテーマごとに展示されている。


 現行品とビンテージアイテムを対話させるように配置して、ブランドのストーリーをひも解いていく作りも面白い。ミケーレが協業しているトレバー・アンドリューやココ・キャピタンといったアーティストの作品は、19世紀のイタリアの画家ドメニコ・インデューノによる大作とともに壁面に飾られている。


 グッチ・ガーデンという名前は、植物や花、動物といった自然から着想することが多いブランドの美学が由来。もう一つ、メタファーも込められており、ミケーレは「ガーデンとは、人の心の中に存在する場所でもある。それはある意味、永遠の始まりと永遠の回帰を象徴している」という。


 キュレーションには、キュレーター兼ファッション評論家でベネチアIUAV大学のファッションデザイン&マルチメディアアート学部長でもあるマリア・ルイーザ・フリーザ氏が参画。「ラボのように」するため、意図的に年代順の展示を避けて、イマジネーションを刺激するようにオブジェと映像をミックスしている。

 グランドフロアにはレストランと二つのショップもオープンした。レストランは、国際的に活躍するシェフのマッシモ・ボットゥーラ氏との協業による「グッチ・オステリア」。ショップでは、限定シューズやバッグなどが揃う。グッチ・ガーデンのロゴを施したボンバージャケットなど世界に一つしかないアイテムもある。ガーデン全体でクラフトマンシップを重視している点もポイントだ。




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