タンナー大手の繁栄皮革工業所(兵庫県たつの市)は10月31日、皮革・革製品の国際環境基準監査団体レザー・ワーキング・グループ(LWG)の認証でゴールドランクを取得した。日本の皮革関連企業でゴールドランクに認証されたのは初めて。
同社は18年10月に国内初のLWG標準合格を取得し、21年6月にシルバーランクを取得した。昇格した要因の一つは、水の使用量の削減だ。1次加工で原皮を水戻しする旧来の設備を、低速で回転するタイコの設備に入れ替えた。
中嶋正樹副社長は「約5年という長い歳月をかけ、最高位のゴールドランクへと昇格できたことは、従業員の全員が一致団結し、環境配慮型で工場操業を実践してきた積み重ねの成果」と話す。
皮革製品に関わるグローバルブランドが05年に設立したLWG認証は、環境保護や消費者の安全性、持続可能な天然皮革の供給を目的とし、60カ国・地域以上でサプライチェーンに関わる2000を超える企業が加盟する。タンナーが認証を受けるには、労働環境や工場の設備、原料から最終工程までのトレーサビリティー(履歴管理)などの基準を満たす必要があり、監査チームのもとで厳格な検査が行われる。日本のタンナーでは現在、繁栄皮革のほかに4社が標準合格以上の認証を取得している。