90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。
※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。
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ヴィトンのバッグですっきりカジュアル
2000年3月25日付
男の子たちのファッションがすっきりと大人びて見えるようになった。ナイロンやフリースのパーカを脱いで、身軽になったからだけではない。着古したようなテーラードジャケットや柄物の重ね着、パステルカラーのカーディガンなどを取り入れた新鮮なスタイルが増えてきたからだ。そんなすっきりスタイルの重要アイテムになっているのが「ルイ・ヴィトン」のバッグ。さりげなく斜め掛けにしているだけで、きのうまでのカジュアルが違ったものに見える。
セレクトショップのバイヤーやプレス関係者の間で一時期ブームになったルイ・ヴィトンのバッグだが、ストリートはナイロンリュックや吉田カバンの「ポーター」シリーズばかりだった。それが春の訪れとともに、男の子のヴィトン姿が一気に増えたのだ。新品もあれば「おかん(お母さん)のお下がり」もあるが、どちらにしろエレガントな要素のあるスタイリングが気になり始めたということなのだろう。
《記者メモ》
男性たちのストリートスタイルは案外、女性よりも変化が激しかったと思います。女性より広がりのスピードも速かった。
(赤間りか)