オムガールズは、メンズウェアを好む女性たちのためのファッション雑誌だ。元々はメンズウェアが大好きな女性たちのための小冊子としてスタートし、19年にインスタグラムで発信し始めた。同社によると、現在毎月3万人がアクセスし、年2回発行する紙媒体は購読者9万人。昨年の売上高は前年比85%増で、利益も出ているという。売り上げの急増はシャツ、ボクサー、トレンチコート、Tシャツなどのアパレル事業が押し上げたもので、扱い店の数も昨年は前年比倍増した。正価販売率は75%以上だ。そのオムガールズの創業者はタクーン・パニクガル。かつて「タクーン」のブランド名でニューヨーク・ファッションウィークで毎シーズン盛大なランウェーを行っていた実力派デザイナーである。そのパニクガルが、雑誌を創刊し編集長をやっている。5月に発売された紙媒体の第9号は19ドル。厚さ約1.7センチ、300ページ以上に及ぶ。広告写真とファッション写真が多いが、一つのインタビュー記事に12~14ページ使い、読みごたえがある。パニクガルが雑誌媒体にどのような思いを抱いているのか聞いた。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
時を超越するモノを見つける
――オムガールズを始めるというアイデアは、どのように思いついたのか?
ファッション対スタイルについて深く考えていて、服とパーソナリティーにおいて何が時を超越するのか、何が常に適切でありえるのかを詳細に観察しようとしてきた。時を超越するモノを見つけるために、トレンドの根底にあるものをよく見て、スタイルとファッションを分けるものは何か精査するということだ。オムガールズはスタイルとつながっていて、我々はスタイルを持っている女性たちが大好きで、それを追ってきた。