"わざわざ行きたい”と思わせる仕掛け

2016/09/05 08:19 更新


《ニューウェーブ》人気のホテル・ホステルに学ぶ 

 泊まる<体験する 宿泊もエンターテインメントの時代に


 ユニークなコンセプトのホステルやホテルが続々登場している。もはやただの宿泊施設にとどまらず、極上の音楽や最先端のIoT(モノのインターネット)など、さまざまな体験を提供するエンターテインメントの場に変貌。訪日外国人の増加で需要が急拡大していることも背景に、進化している。消費者の興味を引きつけ、足を運ばせる仕掛けは、アパレル業界にとってもヒントになりそうだ。

居酒屋&バーで交流の場に


 東京駅に近く、京葉線で東京ディズニーランドまで一本で行けるアクセス抜群の八丁堀に7月、「ワイズ・アウル・ホステルズ・トーキョー」が誕生した。不動産業のシェアカンパニー(東京)が初めて手掛けたホステルだ。「宿泊=エンターテインメント」と位置づけ、〝おだし〟がテーマの居酒屋や上質な音響設備を整えたバーを併設。夜まで遊べて、世界中の人と交流できる場を提供する。

 

上質な音楽環境を整えたバーを併設し、音楽イベントにも力を入れる「ワイズ・アウル・ホステルズ・トーキョー」
上質な音楽環境を整えたバーを併設し、音楽イベントにも力を入れる「ワイズ・アウル・ホステルズ・トーキョー」

 地下1階のバーは、世界的に有名なサウンドクリエイターのヨシ・ホリカワ氏がスピーカーを設計、音響設計の霜田英麿氏が音響空間を担当し、ミュージシャンも納得の環境を実現。音楽イベントに力を入れ、7月にはメディアアーティストの真鍋大度氏ら気鋭のアーティストを招いたイベントを開いたほか、新しい音楽プロジェクト「アジアの叫び=HOWLS」を始動した。

 ヒントになったのは、武藤弥社長が若い時に旅した欧米のホテルだ。宿泊客と地元客が一緒になって交流する「小さいけどかっこいいホテル」を経験し、「ただ泊まるだけでなく、いろいろな人と交流できる楽しい場所を日本にも作りたい」と思い描いてきた。不動産業で培ってきた「コミュニティーをマネジメントする力」をホステル事業にも生かす。年明けに東京・渋谷近辺、18年には京都にもホステル事業で進出する計画だ。

「ノウハウ」と協業して作ったオリジナルパジャマのレンタルも行っている
「ノウハウ」と協業して作ったオリジナルパジャマのレンタルも行っている

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