CINEMATIC JOURNEY 2 「美しく」(宇佐美浩子)

2016/04/22 11:34 更新


4月から新たにタイトルを設け、新旧さまざまなシネマを通じ旅する感覚で、ファッションやアート、音楽などと出会い、感動をシェアしたくスタートした当コラム。

そしてまさに「CINEMATIC JOURNEY」気分をより一層アップさせてくれる展覧会、「Volez, Voguez, Voyagez – Louis Vuitton 空へ、海へ、彼方へ ─ 旅するルイ・ヴィトン展」が、東京・紀尾井町に隣接する特設会場にて、4月23日から6月19日まで開催している!(入場無料)

 

 

 

1854年の創業以来、スクリーンの中にもしばしば登場し、カトリーヌ・ドヌーブやケイト・ブランシェット、ソフィア・コッポラほか、シネマ業界にも多くのファンを持つ当メゾン。

近年ではウェス・アンダーソン監督のシネマ『ダージリン急行』のために製作されたという、アニマル柄のスーツケース類一式が本展にも登場しているのですが、実物もやはりカワイイ!

というわけで、1世紀以上を誇る歴史の中で、常に革新的でありながらエレガンスが香る、創業者ルイ・ヴィトンが生み出した「旅の真髄(こころ)」。そんなスピリットが宿るトラベルラゲージやバッグなどなど、時代を超越し愛されるクリエイションの数々。

とりわけ今回は「旅」をテーマに、全10章から構成された見応えある内容となっているのです。

 

 

 

なお、海の旅、空の旅、車&列車の旅をイメージした各セクションを巡りつつ、タイムトラベルを楽しむようなワクワク感あふれる空間。

そこには当メゾンと縁ある地、日本にフォーカスが当てられた章や、著名人のためのスペシャルオーダーほか、興味深い展示も多数集結!いずれもお見逃しなきように。

 

 

 

ちなみに期間限定で出現したこの特設会場のアドレスもまた

「1978年、日本初の店舗をオープンした地から程近いところ」

だと知れば、より格別な想いがこみ上げてきませんか。

 

 

 

さて、ファッション×旅×シネマチックな話題の後は、なんともモード感あふれる映像に毎度「旅ゴコロ」さえも誘発するイタリアの名監督パオロ・ソレンティーノ。

新作『グランドフィナーレ』もまた、主演の熟年紳士たちのエレガンス漂うスタイリングと、ドラマチックな展開にきっと魅了されるはず。

 

 

 

「旅は心のビタミン!」

そんな持論に『YOUTH』という原題がフィットする本作は、スイス・アルプスのラグジュアリー・リゾートホテルを舞台に、物語は紡がれます。

ロンドン、NY、ヴェネツィアの楽団で24年、人生の全てを音楽に注ぎ完全燃焼したと言っても過言ではない主人公、イギリス人の世界的音楽家フレッド(マイケル・ケイン)。80歳を迎え、すでに引退した現在は、60年来の親友で今なお第一線で活躍中の映画監督ミック(ハーヴェイ・カイテル)と共に当ホテルでバカンスを満喫中。

ハリウッドスター(ポール・ダノ)や元サッカー選手ほかセレブリティ達にも愛されるそこには、それぞれのスタイルで心身の健康と向き合う、特別な時間が流れているのです。

そんな折、フレッドに母国の英女王陛下から勲章の授与と出演依頼が!

かたくなに断り続けつつも、最終的に彼が下す決断のプロセスに、おそらく観る者の多くは感情の高ぶりを覚えるに違いない?!

 

 

 

さてここで、CINEMATIC JOURNEYをより一層楽しむためのミニ・インフォ(映画宣伝スタッフさまよりご提供)をご紹介したいと思います。 

舞台となったラグジュアリー・リゾートホテル

「ホテル・シャッツアルプ・ダボス」

ドイツの小説家トーマス・マンが、かつてサナトリウムであった当館にて半年間、療養生活を送っていた妻のお見舞いに訪れた1012年夏、小説の着想を得たといわれます。その後12年間、書き続けられ、かの傑作「魔の山」が完成したのだとか。

モードな映像を演出する衣裳協力

アルマーニ、チェザーレ アットリーニ、ブリオーニ、ボルサリーノ、チャーチ、コスチュームナショナル、ドルチェ&ガッバーナ、グッチ、ラペルラ、ミッソーニ、モンクレール、マルベリー、プラダ、トッズ、ヴェルサーチなどなど、ブランド名がずらりとクレジットされているのも、ソレンティーノ監督作品ならではの醍醐味。ぜひともスクリーンでチェックしてみて!

 

 
4月16日より新宿バルト9、Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開中!
© 2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHÉ PRODUCTION, FRANCE 2 CINÉMA, NUMBER 9 FILMS, C -FILMS, FILM4


ところで最近見かけた1枚のポスターに記されていた

「美しい行動が、美しい人を作る」

このコピーに、深く共感を覚えたのです。

ちなみにそのポスターとは、コスメのブランド「アヴェダ」www.aveda.jp)が1999年より毎年、グローバル規模で行っている地球環境保全活動を目的とした「アースデー月間2016」(2016年4月2日~5月5日)用のもの。

そして、前述のポスター同様 「美しく、生きる」

というフレーズもまた心魅かれるシネマ『永遠のヨギー ヨガをめぐる奇跡の旅』のポスター。

 

 

 

今や全世界に3億人の愛好者がいるとも言われるヨガ。その伝道師として、諸国に広めた通称「西洋ヨガの父」こと、パラマハンサ・ヨガナンダ。

ザ・ビートルズのジョージ・ハリソンの愛読書でもあったとうヨガナンダ氏の著書「あるヨギの自叙伝」は、あのスティーブ・ジョブズが唯一、自身のiPadにダウンロードし、繰り返して読んでいたと言われます。(ジョブズ氏の追悼式では800冊分が重要人物に配布されたそう)

 

 

 

余談ながら本書に関しては未体験なのですが、ヨガのレッスンに関しては断続的に体験あり。よって長らく休止状態とはいえ、その効用「自身のココロとカラダを静かに見つめ直す時間」は体感済み。

最後に、肝心のシネマ情報を手短にご紹介したく。

本作は、ヨガナンダ氏のさまざまな活動などを収めた貴重なフィルムにより構成されているドキュメンタリー作品ということもあり、一つのカルチャーを疑似体験する意味でも興味深いのではないかなぁと…

 

 
4月30日よりユーロスペースほか、全国順次公開
©2015 Self-Realization Fellowship,All rights reserved.
 Photo courtesy of Self-Realization Fellowship, Los Angeles, California, U.S.A.



うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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