後染めラメ糸メーカーの泉工業は、新種のラメ糸を相次いで開発した。織物、刺繍用に拡販する。
再帰反射のラメ糸は、レーヨンを芯に再帰反射の扁平(へんぺい)糸をカバリングした「300R」。従来、再帰反射糸では扁平糸しかなく、織物にも、刺繍糸としても使いにくかったが、300Rは撚糸をしてカバリングした丸糸なので汎用性が高い。織物の緯糸にも刺繍の下糸としても使用できる。
「インディゴラメ糸」は同社のラメ糸「反応ジョーテックス」をインディゴ染めして、洗い加工でビンテージ感と光沢感を出した。反応ジョーテックスは表面がレーヨンで含浸性があり、風合いもソフトで吸汗性にも優れている。インディゴラメ糸は反応ジョーテックスに綿をカバリングし、インディゴ染めした。綿の12番手クラスの糸でダンガリー織物などに適している。
「セルビッジラメ糸」は、差別化ジーンズなどに使用されるデニムのセルビッジ(耳の部分)に織り込むためのラメ糸。セルビッジジーンズの高級感を演出する。レーヨンを芯にポリエステルラメ糸をカバリングした双糸の8番、10番手クラスの糸で金、銀、金茶、紺などカラーは約10色。
「難燃ラメ糸」は難燃ポリエステルのフィルムを使っている。難燃ポリエステルのフィルムは薄いパール調の色が付いているため、カラー展開がしにくかったが、特殊な加工でシルバーやゴールドなどのカラーも可能にした。織物の経糸、緯糸に使え、主にカーテン用などの織物に対応する。
また、同社は10番双糸による綿のラメ糸使いの帆布をプリント下生地として販売する。後染めで様々な加工やプリントに対応できる帆布で、抑えた上品な光沢が特徴。バッグやジャケットなど幅広いアイテムに販売する。着分からのオーダーに応える。ラメのカラーは銀色。
既にセルビッジラメ糸などは海外から引き合いが出ており、シーズンを問わず、アパレルや織布工場に拡販する。