モントリオールで11年にスタートし、米国、スペイン、スウェーデン、英国、オーストラリアの9都市で150万人を魅了した「ジャンポール・ゴルチエ」展が、いよいよパリ・グランパレで1日に開幕した。
76年デビューから2015年までのプレタポルテ、175モデルのオートクチュールを並べるが、単なる回顧展ではない。「愛と情熱、そして人生を見てもらう展覧会」とゴルチエが語るように、初の円錐(えんすい)形ブラジャーを着せた幼年期のクマのぬいぐるみ「ナナ」や家族とのアルバム、シネマ、コンサートツアーのコスチューム、アンディ・ウォーホルやアーヴィング・ペン、リチャード・アヴェドンら著名写真家たちによる作品などハイブリッドで大胆な、モードを越えたデザイナーによるアートグラフィー展だ。
お膝元での開催とあり、ゴルチエやモデルのイヴ・サルヴァイルら30人の顔を投影したしゃべるマネキン、ライティング、オーディオビジュアルの演出で、さらにアバンギャルドなパリ特別バージョンのインスタレーション。ゴルチエのアイデアで、ショーのバックステージのシーンも加えられた。8月3日まで。(松井孝予通信員)
《関連記事》
■ゴルチエ、38年間のプレタに終止符