メンズ業界では規模の大小やジャンルに関係なく、海外販路開拓が進んでいる。以前から継続して欧州の展示会に出展してきた新興ブランドの中には、海外比率が高いところも目立つ。日本の物作りの企業が連携して世界を目指す動きも出てきた。いずれの企業も、かつての大手企業のような拡大戦略ではなく、〝グローバルニッチ〟を目指した次世代型が主流だ。こうした海外戦略の現状と今後を考える。
出展いち早く再開
海外出展を再開した新興メンズブランドが欧州を中心に新たな卸先を開拓している。コロナ禍で中断していたフランス・パリでの単独展を昨年から再開した「メアグラーティア」(関根隆文)は、「コロナ禍で一時ゼロになった欧米の卸先が復活した」と強調する。今年1月の単独展では、前回、新規に取引が始まったオランダ・アムステルダムのセレクトショップがほぼ全品番を発注してくれた。新規でイタリア・ローマのモード系セレクトショップも成約したという。全体の受注数も前回の2倍となる見込み。日本でも楽天ファッション・ウィーク東京に参加するなど知名度を高めるとともに、卸先も拡大し、23年秋冬物は今までで一番反応が良かったという。リスクを覚悟したうえでの海外展の復活は着実に今後の飛躍につながりそうだ。
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