前回に続いて、ブリュッセルのショッピング情報をお届けしたい。パリから近いこともあり、セレクトショップやヴィンテージショップにも期待していたブリュッセル。残念ながら滞在日数が短か過ぎたためセレクトショップまでは辿り着けなかったが、何よりも見たかったヴィンテージショップはシュドバル広場からすぐ近くに期待通りのショップを発見した。
”Foxhole Vintage Marolles”はレストランやバーが立ち並び、昼夜問わずビールを嗜む人たちで賑わう坂道の真ん中に位置し、60年代~90年代のアイテムがメインで、メンズとレディース両方を取り扱っている。ビビッドカラー、ネオンカラー、シルバー&ゴールドラメ、プリント物が多く店内はとてもカラフル。中でも大胆なシルエットや色使いの80年代アイテムやスニーカー、コンバース、ウェストポーチ、ナイロンジャケットといった90年代の定番とも言えるスポーツアイテムが目立った。
ハイブランドのセカンドハンドなどは取り扱いしていないため全体的にカジュアルでスポーティーな印象だが、今のトレンドを意識しながらも独自のセンスでセレクトをしているこだわりが伝わってきた。また、ヴィンテージショップにありがちな派手な外観とは裏腹に何でもありの雑多な陳列や埃が被っている(ベルリンの激安ヴィンテージショップに多い)というようなことも一切なく、店内は清潔感がありとても見やすいレイアウトになっている。古着に見えない状態の良いものも多く、それでいて値段は良心的で、ワンピースが25ユーロ~、シャツやスカートが15ユーロ~、バッグなどの小物は10ユーロ~といったところ。
サイズも日本人に合う小さめサイズが多数揃っているのも嬉しい。個人的にはワンピースとスカートのセレクトが特に好みで何着も試着させてもらい、最終的に赤のラインが効いた千鳥格子のノースリーブワンピースを購入した。
2フロアーに分かれているそれほど広くない店内には途切れることなくお客さんが入ってきて、2人しかいないスタッフは常に対応に追われていてとても忙しそうだった。そんな中とても親切に対応してくれたAngelさんとShelbatraさんに感謝したい。
こうやって現地の人と出会えることも旅の醍醐味の一つであり、私が旅を好きな理由の一つでもある。
徒歩でも行ける距離にもう1店舗”Foxhole Vintage St Gery”があることを後から知った。近隣にいたのに気付かず残念だったので次回は是非そちらにも訪れたいと思う。レストランの値段の高さに比べると蚤の市やヴィンテージショップの価格帯はかなり良心的で、状態の良い1点物が手に入るため、むしろお得感があると言える。またしても再度訪れたいお気に入りの街が出来てしまった。
Rue des Renards 6 1000 Brussels
宮沢香奈/Kana Miyazawa ライター、コラムニスト、コーディネーター。長野県生まれ。文化服装学院ファッションビジネス科卒業。セレクトショップのプレス、ブランドディレクターなどを経たのち、フリーランスとしてPR事業をスタートさせる。ファッションと音楽の二本を柱に独自のスタイルで実績を積みながら、ライターとしても執筆活動を開始する。ヨーロッパのフェスやローカルカルチャーの取材を行うなど海外へと活動の幅を広げ、2014年には東京からベルリンへと拠点を移す。現在、多くの媒体にて連載を持ち、ベルリンをはじめとするヨーロッパ各地の現地情報を伝えている。主な媒体に、Qetic、VOGUE、men’s FUDGE、繊研新聞、WWD Beautyなどがある