東京オペラシティでKCIファッション展 装いに込められたラブのかたちに着目

2025/04/25 10:59 更新NEW!


内覧会には一部のデザイナーも参加。立体裁断でチュール製のウェアを作った久保嘉男氏は「人がぼんやり透けて見える感覚が面白いと思った」と話す

 京都服飾文化研究財団(KCI)と東京オペラシティ文化財団が共催する展覧会「LOVEファッション―私を着がえるとき」が東京オペラシティのアートギャラリーで開催中だ。装いに込められた、憧れや愛着、執着、熱望などラブのかたちに着目し、18世紀から現代のデザイナーの洋服を編集する。昨秋から京都国立近代美術館、熊本市現代美術館を巡回し、6月22日まで東京展を行っている。

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 前半は、自然への憧れから生み出された花柄刺繍の宮廷服、コルセットの歴史を受け継ぐ50年代のオートクチュールなど、社会的な営みの中で自分を美しく見せる衣服を展示。後半は、90年代以降のファッションブランドの服を通じて「ありのままでいたい」「私らしさ」といった、内面的な願望にフォーカス。ミニマルなピースを展示した「ヘルムート・ラング」は若い世代の関心を引きそうだ。

50年代のオートクチュールからデムナ・ヴァザリアが手掛けた「バレンシアガ」のドレスまで、造形美への欲望に着目した展示

 最後の章では、我を忘れる魅力や愛らしさを持った最近の作品を紹介。「ヨシオクボ」のチュール製のクマ型ウェアや獅子舞型ヘッドピース、「リュウノスケオカザキ」の平和への祈りを込めたドレスなど、非日常的な美しさが服を着ることの意味を問いかける。



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