6400人以上の命を奪い、ファッション産業が集積する地域に甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災から、今日で25年。被災地の企業は必死の努力で復旧、復興を果たし、「ファッション都市」神戸としての存在感を発揮してきた。
しかし、国内外市場やビジネス環境の激変があり、厳しい時代が続いてきた。産業としての発信力が落ちているとの指摘は内外からある。今回、繊研新聞社が地元企業31社にアンケートをとったところ、重点分野はECと海外市場に集中した。現実には、両分野ともこれから開拓する企業が大半を占め、生き残りのためにスピーディーな対応が迫られている。
(古川富雄)
震災では、神戸の靴メーカーの約8割が全半焼、全半壊となり、アパレルや真珠企業が集まるポートアイランドと六甲アイランドは液状化、最大商業地の三宮ではビルの倒壊など、これまでに経験のない惨事となった。その後は行政と一体となった復旧、産業振興が取り組まれ、00年前後には「コンサバエレガンス」、02~04年の「セレブカジュアル」と神戸発のトレンドも生み、発信力を高めた。しかし、08年のリーマンショック後は劇的な市場環境の変化が起こり、後退を余儀なくされた。
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!