「あったらいいな」を形にした試着室

2015/05/13 08:12 更新


 什器や販促ツールのメーカー、ラボット(東京)は自社ブランドの開発・販売を強める。店舗の試着室に関わる課題解決に着目した「フラット」シリーズは着実に販売実績を上げている。さらにレジカウンターに注目。「ファッションの店舗に特化した使い勝手の良いカウンター」(寄谷真二社長)の開発に着手し、来春の販売を目指す。

 主要取引先はファッション業界。店舗のデザイン、設計、施工、店頭演出まで一貫して手掛ける。寄谷社長が代表を兼任するデザイン設計の関連会社、ノンフレームとも連携し、依頼主からニーズを直接聞き出して製品や店舗設計に反映できることが強みだ。

 「店舗のスタッフが『あったらいいな』と日頃思っている潜在的なニーズを“商具”として形にすることが当社の基本的な仕事」としているが、ニーズを形にした自社ブランドの第1弾がフラットシリーズだ。

 重点製品は、普段は壁面に折り畳んで収納しておける「フラットフィッティングルーム」。来店客で込み合う休日やセールの時期に組み立てて、「売り逃しを回避する」という。女性でも1人で組み立て、収納が約30秒でできる簡単な仕様が特徴。価格は23万5000円。

 販売開始から約1年で、販売実績は約50店。百貨店をはじめ商業施設のイベントスペースなど大きくない売り場で、販売機会ロスを減らし、効率を上げるツールとして活用実績がある。

 従来の繁忙期対策はフィッティングルームのリースだが、フラットフィッティングルームは売り場の設計段階から、邪魔にならないよう適切な場所への配置を考えて組み込む。リースは適切な配置があらかじめ考えられていないため、売り場効率を上げる配置が難しい。

 フラットシリーズに次いで開発しているのは、高機能レジカウンター。アパレルを中心としたファッションの店舗に特化し、備品の収納や取り出しなどで利便性の追求と、店舗スタッフのストレス軽減、販売効率の向上につながる製品作りに取り組む。



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