JR川崎駅西口直結の大型SC、ラゾーナ川崎プラザ(三井不動産商業マネジメント運営)の15年3月期売上高(核店舗のビックカメラを除く)は前期実績を上回る見通しだ。前期は761億円(前期比8.2%増)だった。12年秋冬に実施した大型改装の効果が継続し、「お客様の選択肢の幅を広げる」(佐藤了所長)目的で重点分野で新店を導入した成果が出た。顧客囲い込みの販促も実った。
「一部で消費増税の影響はあったが、ほぼ全分野が順調」。ファッションは「ユニクロ」のほか、大型改装で強化したレディス・メンズのセレクトショップなどが売り上げを伸ばした。レストランを中心に近接地に移転してきた東芝本社の就業者の需要もつかんだ。ファッションでもテナントとの取り組みで限定商品の販売を強化したことも成果を上げた。
今期は秋冬までに「グローバルワーク」「バナナリパブリック」「フレディ&グロスター」や日用雑貨主力の大型店「ユニディ」など既存11店で改装を実施し、飲食やメガネ、ジュエリーで新店を導入、「いずれも順調」だ。メガネは昨春に「ジンズ」を入れて計6店とし、ジュエリーは昨秋に4店を入れてゾーンを作った。「同じ分野で幅と奥行きを広げ多様化するニーズに対応する」狙い。13日には携帯電話「auショップ」を入れ、大手携帯電話会社の3店が揃った。
音楽を主体とする屋外広場のイベントの高い集客力に加え、三井不動産の商業施設共通で使えるポイントカードや昨秋開始したスマートフォン向けアプリを活用した施策を実施、来館促進につなげた。
昨年11月に一次商圏内に大型SC、グランツリー武蔵小杉が開業して以降、「武蔵小杉エリアからの来館はやや減ったが、川崎駅近隣に加え横浜や都内からの来館が依然多く、大きな影響はなかった」という。