東京を中心とする皮革関連企業の24年春夏向けレザーは、加工に手間をかけ、意匠性を高める傾向が強まった。皮革製品の値上げが続くなかで、説得力のある価値を提案できる革を作り込む企業が目立った。大きなトレンドは、パステル系やホワイトなどクリーンな色使いだが、藍染めや植物染めといったクラフト要素を反映した革も多い。
(須田渉美、価格は1デシ=10センチ平方=当たり)
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服地のエッセンス
新たな傾向として目を引いたのは、服地のエッセンスを反映したテクスチャーだ。
丸喜は、ピッグスキンにフィルム加工し、ファンシーツイード風に見せた。クラック加工を重ね、ピンク地のスエード面をのぞかせることで、糸のミックス感をリアルに感じさせている。72円。ほかに、オーロラ色の箔(はく)でグレンチェックを表現するなど、フェミニンで品のある柄を揃えた。
相川商事は、トレンド色の一つ、ホワイトのバリエーションに着目。有害物質のクロムを含有しない独自技術「トルナット」のウェットホワイトと称する白のなめし革の柔らかな風合いをそのまま生かす。キルティング風の型押しに熱を加え、ビンテージ感のある雰囲気に仕上げた。68~73円。
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