OEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)のレオン・インターナショナルは、3D開発支援サービス「VDM」の提供を始めた。3DサンプルやAI(人工知能)モデルの作成による商品企画や販促の効率化とコスト削減を強みに受注数の拡大を狙う。
競合に先んじて、15年ごろから3Dサンプルの作成ノウハウを蓄積してきた。「CAD(コンピューターによる設計)が登場した時、乗り遅れた企業は苦境に立たされた。3Dでも同じことが起きるだろう」(林真吾社長)と、サービスの本格化に乗り出した。
VDMはCADの型紙を元に作成する、服のしわや布の動きまで再現した3Dサンプルの作成がメイン。実物を作らずコストを減らせるだけでなく、色や素材、細かなディテールの修正も容易なため商品企画のスピード感が上がる効果もある。データはアーカイブとして保存でき、次シーズン以降の企画にも活用できる。

生成AIを活用したビジュアル作りもポイントだ。AIで作ったモデルや背景に同社の技術者が手を入れて、ブランドイメージに合った見た目にカスタマイズできる。
仕入れ額のうち一定の割合をレオン・インターに発注した場合、VDMが無料で付帯する。「これ自体で稼ぐつもりはない。あくまでOEM・ODM事業の受注を増やすのが目的」。VDMによって本業の競争力を上げることを重視している。現状、バロックジャパンリミテッドなど4社が導入している。運営ノウハウを蓄積しながら、導入先を徐々に増やしたい考えだ。
