英リバティ・アート・ファブリックスは都内で16日、16年春夏向けのプリントコレクション「ザ・アーティスト」を発表した。画家やクリエイター、建築家、職人から得たインスピレーションをベースに、同社の伝統的なプリント技術や鮮やかな色彩を組み合わせた「リバティの歴史や伝統を守りながら、フレッシュでモダンなデザイン」(ヘッド・オブ・デザインのテッサ・バーチ氏)だ。
昨年、ヘッド・オブ・デザインに就任したテッサ・バーチの初コレクションとなる。画家が思い描く英国の牧草地(メドー)をヒントに、フリーハンドで色とりどりの花を描いた「ザ・ペインターズ・メドー」、繊細な線とクロスハッチング手法(平行線模様)で熱帯林の植物を表現した「フォルナセッティ・フォレスト」など10テーマを切り口に52柄を揃えた。
「最近はやっていたデジタルプリントから、ナチュラルでアーティスティックなものに移りつつある」とみて、同社の伝統的なプリント技術やハンドペイントを駆使し、イラストのような花柄、カンバセーショナル柄、モダンな抽象柄やテクスチャー柄を中心に製作した。全ての柄にその柄を象徴するデザイン「ヒーロープリント」を作り、他の柄にも取り入れることで、柄同士の組み合わせをしやすくしている。
第2弾となる日本向けのカプセルコレクション「ボタニカル」も発表した。英のデザインチームと日本のデザインチームが連携し、同社が収容する4万3000のアーカイブから10のボタニカルプリントを選んだ。柄のスケールや配色を変えたり、モチーフを継ぎ足して、日本市場に合うようにアレンジしている。ティム・カーンCEO(最高経営責任者)は、「(同様の取り組みを)他の国でも挑戦したい」と話した。
発表会では、新しい試みとして、バーチさんとファッションジャーナリストの生駒芳子さんがパネリストを務め、製作の裏側やファッションにおけるプリントの重要性を語った。