《15~16年秋冬ロンドン・コレクションでプレゼンテーション》
15~16年秋冬ロンドン・コレクションでプレゼンテーションを行った注目ブランドは、皆したたかな女性像を描く女性デザイナーたちだ。手仕事、サバイバル、女戦士をキーワードに、パッチワークやタータンチェック、ファーを取り入れた新作を揃えた。
(若月美奈通信員)
デニムでない究極のデニムウエア フォスティンヌ・シュタインメッツ
「フォスティンヌ・シュタインメッツ」のデニムクチュールがさらなる進化を遂げた。気が遠くなるような手仕事によって誕生する日常的に着られるデニムウエアというコンセプトはそのままに、デジタル技術を駆使したユニークなデザインが加わった。
ジーンズの腰回りは、プリンターの不調によって印刷が流れ出てしまったように織り柄が乱れている。後ろを向くと、さらにその乱れが全体に広がっている。デニムではなく、平織りのコットン地に歪んだデニム柄をデジタルプリントしたもの。
ハンドクラフトでは、デニム地全面にウール綿をニードルパンチで埋め込んだパンツとスカートや、シリコンを使って、白とブルーの絵の具がよく混ざらない状態で山盛りに表面にのせられたようなジーンズがある。ニードルパンチのスカートの風になびいたように裾が持ち上がっているシルエットなど、ちょっとしたアイデアもさえている。
女性が描くしたたかな女性像「ダニエル・ロメリル」
「ダニエル・ロメリル」は前回のワイルドキャンプに続き「サバイブ」をテーマに、ワイルドな世界をガーリーに落とし込んだ。キーアイテムはアシンメトリーなデザインのギャザースカート。
新しい服を買えなくなり、ゴミや古着から再生して服を自作しなければならないという状況をテーマにしたコレクションだ。キルティングやレース、タータンチェックを多用し、パッチワークや大判ストールでハイブリッドなスタイルを見せた。
そこに、日本の小札式甲冑(かっちゅう)の製造様式である縅(おどし)の技法を用いたうろこ状のレザー飾りを加え、女戦士のイメージをアピールした。
(写真=catwalking.com、藤原徹治)
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