毎日新聞社は5日、都内で2015年(第33回)毎日ファッション大賞の表彰式を行った。大賞は「サカイ」のデザイナー阿部千登勢さん(=写真中央左)、新人賞・資生堂奨励賞は「クリスチャン・ダダ」のデザイナー森川マサノリさん(=同中央右)が受賞した。
サカイの阿部さんは8年前に続いて、2度目の受賞となった。「この1年の活躍は群を抜く」「他のジャンルにも影響を与えている」などの理由から、選考会の全会一致で受賞が決まった。表彰式で阿部さんは、「ブランドをスタートして17年、好きなことだけを追求することができた。これからも、まだ自分が見たことのない景色を見たいと思う。精進していきたい」と語った。クリスチャン・ダダの森川さんは「世界で戦えるブランドにしたいという思いで5年間進んできた。今はまだ遠いかもしれないけれど、模索しながら挑戦していきたい」と話した。
鯨岡阿美子賞は、ニューヨークを拠点に企画デザインやパターンを手掛ける大丸製作所2社長の大丸隆平さん(=同左)が受賞した。「CFDA(米国ファッションデザイナーズ評議会)の賞を今年受賞し、パターンメーキングで世界に出られることを示した」ことが受賞理由となった。
特別賞は、第一織物株式会社が受賞した。多くの世界的なハイブランドに生地を納入する一方で、小規模生産にも対応して若手デザイナーの育成にも寄与していることが評価された。吉岡隆治社長(=同右)は、「原点の超高密度合繊織物だけにこだわってやってきたことが認められた。それは福井産地が認められたということ。産地での競い合いが起これば、生き残りにつながる。産地への影響は大きい」と語った。
話題賞は、14年に展覧会やコレクション「エスプリ・ディオール」を東京で披露した「ディオール」が受賞した。