ショップの運営や売り上げ管理、スタッフの育成など多様な仕事をこなし、お客との重要な接点となる現場で奮闘する店長。業界への思い抱き、思考錯誤しながらスキルアップに努め、お客にとって企業やブランドの顔となるショップに磨きをかけている。販売職にやりがいを感じながら、ショップの魅力を高めている。
自分のやり方を押し付けない
ルック入社5年目の金子夏海さんは「イルビゾンテ」ジョイナス店の店長を務める。先輩の支えを受けながら接客の力を磨き、客の人生に寄り添う一点を提案している。現在は後輩の育成にも力を入れる。一人ひとりに合う接客のスキルアップを考えながら店舗運営に取り組む。

先輩の手厚い支援
就職活動ではアパレル業界を志望した。長く支持されるにはブランドの個性が必要だと考え、「イルビゾンテ」や「マリメッコ」のようにアイデンティティーが明確なブランドを扱う企業に関心を持った。
ルックへの入社を決めた理由は選考中の対応だ。人事を中心に、面接で自分の強みをどう伝えるかまで一緒にサポートしてくれた。「選考が進む中で、この企業に入りたいという思いが強くなった」という。
22年に新卒で入社し、イルビゾンテ新宿店に配属された。1年目は商品知識のインプットに集中。本社担当者による勉強会などでブランドや物作りを学び、接客時には正確性を第一に考えた。当初は思うようにいかず、気持ちが沈むこともあったが、先輩に支えられながら経験を積んだ。ある先輩は、客へのアプローチの順番や心理、声掛けの方法を細かく言語化し、金子さんに合う接客の形を紙に書き出してくれた。「その1ページは本当に鮮明に覚えている。先輩方のサポートがあったから接客に一生懸命になれていると思う」と振り返る。2年目からは接客への向き合い方も変化し、「正確性だけではなく、お客様と会話も楽しめるようになってきた」。商品説明にとどまらず、会話の中で要望を聞き出し、客に合う商品を提案できるようになってきた。
販売職の魅力について「自分の好きなブランドの商品をお客様の人生に寄り添えるものとして提案できること。貢献できたという感じがうれしい」と話す。客が店に足を運んでくれることに価値を感じるという。
アイデア生かしたい
新宿店で働く中で、店の運営にも関心が向いた。在庫整理や新人教育の進め方など、日々の業務で改善の余地を思いつく場面が増えた。自分の考えや店舗運営のアイデアをより主体的に試せる環境で経験を広げたいとの考えから、会社に「他の店も経験したい」と伝え、24年8月には横浜ジョイナス店へ異動した。
同年10月には副店長になった。店長の考えをスタッフに共有し、現場の悩みをくみ取る役割を担った。25年9月には店長に着任。同時に3番手のスタッフも副店長に上がり、新任店長と新任副店長の体制になった。「こういうお店にしたいという考えはあったが、店長になると最初はどう動けばいいか分からなかった」と金子さん。着任後の数カ月は、前任店長の支援を受けながら、自分が担う仕事と任せる仕事の線引きを探った。4カ月後には役割も明確になり、うまく回り始めた。
新人が配属されることも多いという横浜ジョイナス店。一人ひとりの接客力向上にも力を入れる。金子さんはスタッフの声掛けのタイミングや立ち位置を見ながら、その場で助言する。接客後には、どんな客だったのか、購入に至らなかった場合はどんな会話をしたのかを確認し、次の接客につなげている。アドバイス時に気を付けているポイントがある。教える立場になると、経験を基に〝正解〟を教えたくなる。ただ、自身が先輩に教わったように、人によって最適な接客はそれぞれ違うため、「自分のやり方を押し付けない」ことを心掛けている。
■ここがすごい!
「自身の考えやビジョンを持つだけでなく、言葉や行動で表現できるところ。自身が接客を全身で楽しんでおり、説得力があります。一緒に働くスタッフからも、お客様からも信頼を得ています」(元横浜ジョイナス店店長でD.C事業部イルビゾンテ運営課朴梨沙さん)
