今回のパリ・ファッション・ウィーク・メンズにはバイヤーがさらに戻ってきていた。その動きを見越して、トレードショーやマルチブランドショールームに世界から若手デザイナーが集まった。
(ライター=益井祐)
ここ数シーズン気になっていたのが香港発の「カルミュエル・ヤン」だ。クリーンなデザインにカッティングやディテールで面白味を加える。24年春夏は身体に注目。トルソーを石膏(せっこう)でかたどったようなボディス、オーバーサイズのシャツには体に合わせてステッチを入れラインを強調した。またレーザープリントで木目調に仕上げたジーンズのように最新技術も取り入れている。
ハイテクを取り入れるデザイナーがいれば、ローテクにこだわる者もいる。台北の老街にあるショップ奥の工房で、天然の素材を使い繰り返し染める。時には20回近くも。台湾とロンドンで培ったテーラーリングをソフトに表現。台湾人「チャンホン・スー」はパフュームやキャンドルと、若手ながら全体的なイメージ作りにもこだわりを持つ。