《15~16年秋冬メルセデス・ベンツ・ファッション・ウィーク東京/東京コレクション》
「東京はメンズが面白い」。以前から言われていることだが、伊『ヴォーグ』誌の編集者のサラ・マイノ氏ら、今回ウイークに合わせて来日した海外のジャーナリストやファッションディレクターらも同様に口を揃えた。ストリートを背景とした多面的なファッションの提案が、他にはない東京らしいメンズスタイルを作っている。(五十君花実)
クラシックを未来的に=ジョンローレンスサリバン
ジョンローレンスサリバン(柳川荒士)は、クラシックなイメージをフューチャリスティックな感覚がある素材やディテールで変化させていく。かっちりとしたテーラードコートは、肩のアクションプリーツやボタンの代わりにベルトを中に通して留めるというデザインがポイント。ベルトのデザインは、包帯を巻きつけてそれがずれたようなバンテージニットのトップにつながる。ボトムはタックでボリュームをたっぷりとったワイドパンツ。アルミ箔(はく)のようなシルバーのダブルブレストコートもある。レディスは、レザーとウール地を前後で切り替えて、パネルが重なるように見せたドレスなど。
やんちゃなネーティブアメリカン=ディスカバード
ディスカバード(木村多津也、吉田早苗)は、東京っぽいストリートのムードに、今回はネーティブアメリカンの要素をプラス。やんちゃな気分はそのままながら、ムートンのライダーズジャケットがあったりと、ちょっと大人になっている。シャツやショーツ、そこに重ねるプリーツのエプロンといったストリートスタイルに、ウエスタンなオンブレチェックや、バンダナ柄のパターンを載せていく。アウターでは、クラシカルなグレンチェックを使ったオーバーサイズコートもあるが、主役になるのはスエードのジャケットやチマヨを使ったポンチョやテーラードコート。首元にはターコイズのビーズネックレス。
(写真=加茂ヒロユキ)