《めてみみ》超強力な追い風

2018/01/18 04:00 更新


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 昨年、日本を訪れた外国人客は2869万人。前年比19.3%増と大きく伸びた。中国、韓国、台湾、香港など近隣国・地域が全体の4分の3を占め、東南アジア、欧米豪が続く。主要20市場全てで過去最高人数を更新し、まさに特需の〝真っただなか〟だ。

 しかし本紙・新年特別号の「繊維・ファッション関連企業の経営トップアンケート」では「インバウンド(訪日外国人)需要」に関する関心は思いのほか低かった。一部を除き、インバウンド消費をうまく取り込めていないのだろう。増収に貢献していればもっと関心が高いはずだ。

 ある有力企業は海外進出の加速を狙い、インバウンド情報と自店での購買客のデータのすり合わせに余念がない。「外国人に買ってもらうには知名度が不可欠」と日本に加え、進出国では一等地に店を構え販促に力を入れる。「進出先で売れることは大事だが全てではない。実際は日本での売り上げが跳ねる」ため「相乗効果は確実にある」という。当然、ECでの販売や内外価格差を小さくする努力も重要だ。

 政府は東京五輪を開く20年に4000万人の訪日外国人を見込む。国内外で知名度を高めるなどインバウンド需要の獲得施策を効果的に打てば、日本ブランドがグローバルブランドになれるチャンスが訪れている。超強力な追い風に乗らない手はない。



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