《めてみみ》行列のあと

2018/07/23 06:24 更新


 SNSによる情報の拡散が加速しているのか、SNSに上げたい人が増えているのか、人気店の行列が伸びている。期間限定とか今だけの商品を求めて5時間、6時間待ちも珍しくない。

 商業施設にとってぜひとも導入したいのは大行列のできる人気店。話題性は絶大で集客効果は高い。ただし、行列に長時間並んでも、その大半が目的を果たしたら帰ってしまうようでは導入効果は弱い。集客をいかに施設内回遊につなげるかがカギになる。行列店の客層と館内MDのマッチングや親和性が問われる。

 行列に並ぶ時間を館内のショッピングで楽しんでもらいたいと、施設側の要請で店の入り口に整理券の発券機を置き、指定された時間に再来店してもらう飲食店も増えている。「苦労して手に入れるからありがたみがある」という声もあるが、何もせずただ並んでいた時間を有効に使えるからと評判はいい。もっとも、その時間を館での買い回りに使うかどうかは館の魅力次第。面白い店がなければ何も買わず、何も見ず、ただ単に時間をつぶすだけになる。

 このところの暑さで、かき氷店の長い行列を見るようになった。わずかな日陰の下、汗だくになりながら、番を待つ。苦役の報酬は冷たいかき氷。熱中症は心配だが、並ぶことで冷たさをもっと楽しめるのなら行列も許容できそうだ。



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