新製品のリリースを読んでいると、近頃はコラボレーション(協業)商品の発売が目立つ。デザイナーブランド同士の商品開発やデザイナーブランドとスポーツブランドとの商品開発など、内容は様々だ。
デザイナーとスポーツブランドとの商品開発の狙いは分かりやすい。スポーツブランドの持つ機能性を背景にした商品力と、デザイナーの感性を組み合わせることで新しい魅力をアピールできる。シューズやダウンジャケットなど、スポーツブランドの特定の商品での限定的なコラボレーションが多い。
デザイナー同士のコラボレーションは、ここ数年でずいぶん目立つようになった。「ヴァレンティノ」が「アンダーカバー」とコラボレーションしたあたりから、盛んになってきたように思う。「ルイ・ヴィトン」のメンズを手掛けるヴァージル・アブローが商品開発や渋谷の店舗イメージをNIGOと協業した例もある。
ダブルネームやコラボレーションは両ブランドの得意な分野を強調することで、分かりやすく魅力をアピールできる。いつもあるわけではなく、シーズン限定という商品展開も市場にアピールしやすいポイントだ。コロナ禍という状況が、こうした手法を後押ししているのかもしれない。ただ、市場にこの手法が蔓延(まんえん)しすぎると、陳腐化も早い。その見極めが肝心だ。