中国の20年GDP(国内総生産)は前年比2.3%増だった。コロナ禍からいち早く経済が回復軌道に乗ったことが数字の上でも明らかになった。GDPは第2四半期から増加に転じた。消費の状況を示す社会消費品小売総額は8月から増加し、12月まで5カ月連続で前年同月を上回った。上海市内の繁華街も夏以降は多くの買い物客でにぎわっている。
設備投資は第2次産業のうち製造業が2.2%減。工業増加値をみると増加に転じているが新規投資は慎重な姿勢が続く。第3次産業の設備投資は道路運輸、水利管理などが増えた。不動産投資は6月から増加に転じ、年間では7.0%増。上海を含む東部地区が7.6%増だった。
上海市内でも昨秋から道路工事が至るところで行われている。通勤や仕事で地下鉄を使うため歩道を歩いていても、回り道しなければならないことがしばしばだ。
人口増加を抑制している上海だが中心部での不動産開発は活発だ。特に昨年半ばから速度を増した感がある。観光地として有名な豫園周辺など広大な面積で再開発が始まろうとしている。昨年10月の国慶節の際には、まだ昔ながらの生活が営まれていた虹口の一角。先週末には、数ブロックの立ち退きが終了していた。経済発展で豊かな生活を得る人がいる一方で伝統的な文化が失われている。