《めてみみ》ヤンゴンの銃声

2021/03/19 06:24 更新


 「デモが頻発し、銃声が聞こえる。怖くて外に出られない」。国軍のクーデターでこれまでの生活が一変したミャンマー。「デモに加わったと疑われ家宅捜索された日本人駐在員がいる」「軍に車を止められ銃を突き付けられた」「デモと関係ない場所で市民が撃たれた。どこで何が起こるかわからない」。特にデモ弾圧が激しいヤンゴンに住む駐在員は程度の差はあるにしても身の危険を感じるという。一方で操業を続ける縫製工場も多い。しかし生産できても物流や通関が滞り、出荷が難しい.

 安全をさらに脅かすと懸念されるのが、国軍によるモバイルデータ通信の遮断。「デモや軍の出現場所などをSNSで探り、安全なルートを探せなくなる」と工場との行き来などで安全確保が難しくなると嘆く.

 ミャンマー日本国大使館は日本人に帰国の検討を促す。危険度が増し駐在員を日本に一時帰国させる動きが目立つ。英国は3月12日、自国民に退避を要請。中国系縫製工場の放火や襲撃を受け、中国政府は国有企業に退避を指示した.

 27日は国軍記念日。「それまでに鎮静化しようと軍によるデモ弾圧が一層激しくなる」とみられる。4月半ばには新年を祝う水祭りの長期休暇がある。それまでに商品の出荷を終えられるか。激しい混乱がそのあたりまで続くのではと心配する声が多い。



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