「ノウハウがだいぶ、積み上がってきた」。コロナ下での販促について、SCの運営担当者から最近よく聞く。この半年間で、多くの施設が検温の実施や消毒液の設置などのほか、時間帯別の入場規制などで客を分散させ、感染防止策を取りながら、リアルなイベントを実施するようになった。リアルな場での楽しさを求めていた多くの客に支持され、成果を上げている施設は多い。
初めての緊急事態宣言が発出されてから1年。当時はコロナに関する正確な情報が不十分で、「どう対応していいのかわからない」という人々も多かった。供給不足も要因だったが、マスクの着用や消毒も今ほど浸透していなかった。消費者もこの1年で、コロナと向き合うノウハウを積み上げた。
2回目の緊急事態宣言が解除されて以降、春らしい陽気も後押しして、来街者が激減していた大都市中心部にも活気が戻っている。「前々年の売り上げを超える日も出てきた」という商業施設も少なくない。一方で、コロナの変異株の感染者が拡大、コロナ感染は「第4波」に入り、予断を許さない状況だ。
この1年間で、業界も、消費者もコロナ対策で多くのことを学んだ。課題は山積しているが、この1年で積み上げたノウハウを生かし、進化させながら、今後もこの未曽有の危機を乗り切っていくしかない。