中国ではスマートフォンの日常生活に果たす役割がとても大きい。以前から進んでいる飲食、物品購入の決済だけでなく、新型コロナウイルス非接触証明や各種サービス代金の支払い、銀行口座残高の通知、高速鉄道の座席手配、宿泊先予約もスマホで行える。
スマホなしではどこにも行けなくなった。購買履歴や利用サービス、訪問場所までデータとなっているので、ビッグデータ解析も相当に進んだのではと言われている。
先日、ちょっとしたハプニングがあった。スーパーで食品2品を持ってレジに行くと、別の客が食パン1袋を無造作にレジに置き、その場を離れた。嫌な予感は的中、店員は3品購入でスマホ決済したため、銀行口座から代金が引かれた通知もすぐに来た。食パンは別と指摘すると、店員はレジ決済をやり直さず、「客同士のスマホでパン代金をやり取りして」という。
パン客は抵抗なくスマホで記者のQRコードを読み取って支払ってくれたのだが、食パンを買ったデータ、少額とはいえ見知らぬ人と金のやり取り履歴が残るのはあまり気分がよくない。全く食パンを買わないのにレコメンド広告が来るのかもとも思ったが、スマホにそうした広告表示は今のところない。異常値として省かれたならデータ解析がかなり進んでいると言えるし、精度が気になる。