ルミネは同社施設のテナントで以前に勤務し、離職した販売スタッフとテナントをつなぎ、単日や短時間で働ける「ルミナーズ」を4月から本格的に始めた。接客の仕事が好きで働く意欲もありながら、出産や育児などの事情でフルタイムでは働けない人に場を提供するとともに、期間限定催事や繁忙期に販売経験のある人材を確保したいというテナントのニーズに応える取り組みだ。スタッフ、テナント双方に好評で、6月前半だけで3件のマッチングが実現した。
18年に社長秘書だった大出友美さんが社内の新規事業開発プロジェクトで提案し、事業化した。社長とテナント企業の経営者の話を通じ、「人手不足に対する危機感の大きさを実感し、何かしなければと考え、立案した」という。
アトレは昨年12月から、各施設のテナントや街などの情報を発信する動画を社内で制作し、ユーチューブで配信する施策を開始、「お客との新たな接点につながっている」(一ノ瀬俊郎社長)。「コロナ下で、何かできることはないか」と社長が社員にアイデアを募集し、採用した。提案した社員には社長賞を与えた。
この社員は提案した当時、施設の「現場」ではなく、本社総務部の所属。社内を見渡せば、その事業に直接関係がなくても、様々な部署でアイデアはある。それを引き出すのが経営者だ。