《めてみみ》来店動機の変化

2021/06/25 06:24 更新


 沖縄を除いて緊急事態宣言が解除され、商業施設の全館営業が始まった。衛星都市の駅前のSCに行くと、平日の昼間でもにぎわって見えた。入店客数は前年比約5%増で推移しているという。多く見えても、コロナ禍前と比較するとまだ少ない。

 売れている店に挙がったのは、A食料雑貨店で「巣ごもり消費が続いている」と話す。その直後に訪れた都心ターミナル立地の百貨店の客数は、先のSCに比べると少ない。B食料雑貨店とゴルフが好調で、特にゴルフは昨年春夏からさらに伸びているという。1年経っても〝売れ筋〟に変化はないのだろうか。

 昨年同時期の新聞記事を見て、ある違いに気づいた。「夏に向けたまとめ買いが多く客単価は17%増」「衣替えや買い替え需要で春物、初夏物のまとめ買いが見られた」(いずれも都心SC)とある。百貨店でも、買い上げ率と客単価が高いと話していた。どうやら今年は、目的買い、まとめ買いの傾向はなくなった。

 宣言の1回目と3回目の〝重み〟の違いだろうか。いずれにしても、「目的買い」以外の来店客の増加がうかがえる。もう一つの特徴は「店頭在庫のだぶつきがない」(先のSC)こと。在庫圧縮、生産抑制の結果だろう。セールを含めイベント集客が難しいなかで、来店動機をいかに増やすかがポイントになりそうだ。



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