簡単には捨てられない物がある。一つはもう10年以上になる革靴。大げさかもしれないが、初めて靴ずれが全くない革靴だった。靴底を変えたのは一度だけ。丁寧に手入れしてはいないので、あちこちにひび割れがある。修理の段階を超えていると思うが、今も雨の日などに履いている。
「ヴァン」のスイングトップとトラッドブランドのダッフルコートも捨てられない物だ。どちらも20年以上は経つ。スイングトップはボロボロだが、愛用していたので捨てられない。頑丈な古き良き定番コートは、きれいな状態。窮屈だが、まだ着られると思ってしまう。
賞味期限は過ぎているものの愛用していたTシャツなどは、部屋着として頻度高く着て、消費期限が来るのを待っている。問題は、全く愛着が湧かない服。たんすの中に忘れ去られたものも多い。放っておいても仕方がないので、消費期限を目指してたまに着用するか、早々と雑巾として使っている。
革靴は冒頭のブランドを買い続けている。一度だけ違うブランドを購入したが、5年以上経った今でも靴ずれする。見映えも大事だが、やはり履き心地。ビジネスシャツも着心地の良さを感じた同じ商品を買い続けている。愛用する、しないを決めるのは個人の嗜好(しこう)。それぞれ違うだろうが、根底にあるのは使用した時の心地良さではないか。