緊急事態宣言が解除され、慌ててスーツを購入するビジネスマンが目立ったと言われる。コロナ下のテレワークの浸透などでスーツ離れに拍車がかかっていた紳士服業界にとっては、以前ほどには戻らないかもしれないが、明るい兆しが出てきたのかもしれない。
スーツの中でも一部のオーダーメイドスーツ店はコロナ下でも健闘している。高齢の客層の中には感染防止のため、店頭での採寸を避ける傾向もあったが、3DやAI(人工知能)などのデジタルツールを活用した採寸や受発注システムによる非接触型の接客サービスを導入するなどウィズコロナにも対応する企業が増えてきた。
少し前から、アパレル業界以外の業種からオーダースーツへ新規参入する個人事業者も目立つようになっていた。人脈やネットワークがある営業マンならスーツに詳しくなくても売り上げを立てるのは容易かもしれない。無店舗型の出張サービスであれば初期費用も抑えられる。副業として始める人もいるという。
参入はしやすいが継続するのが難しいのがこの事業。そこで、最近ではオーダースーツ事業の開業を支援する企業も出てきている。常連客に支えられ、長く事業を続けるためには最新のシステムを活用するとともに、プロの技術やノウハウを磨き上げ、顧客満足を高めることが不可欠だろう。