ユナイテッドアローズの「カリフォルニアジェネラルストア」を取材した。神奈川県藤沢市にあった名物サーフショップを同社が承継し、9月に鵠沼海岸沿いに移転オープンした。前の店からボード台や来店客が落書きした壁の一部を移設し、引き継いだビンテージのサーフボードも販売している。
往時の店の雰囲気を残しながら、自社企画のサーフウェアやグッズも販売し、コーヒーやクラフトビールも提供する。物販や飲食以外にサーフィンやヨガのスクールも実施し、地域のアーティストや商店と組んだマルシェも計画している。
地域に根差したコミュニティーとしての店を目指す考えだが、面白いのは運営手法だ。店のスタッフは固定せず、既存のストア業態の販売員から希望者を募った。選ばれた人は元の店舗で勤務を続けながら、月1回ペースで店頭に立つ。
現在は30人が交代で働き、勤務日の朝は、サーフィンをしたり、ビーチで散策しながら、ごみ拾いをしたり、海岸沿いの店で働くメリットを思い思いに堪能してから出勤してよいのだそうだ。
かつてパタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード氏は「社員をサーフィンに行かせよう」と言った。日本で「職遊融合」を本気で実践する会社が増えれば「改革」なんて堅い言い方などしなくても、自然に働き方は良い方向に変わると思う。