《めてみみ》同じ夢

2021/12/14 06:24 更新


 ユニクロが開いた「ライフウェアデイ2021」を取材した。錦織圭さんが子供たちにテニスを教えるのがメインのイベントだったが、現役のプロスポーツ選手が子供たちと触れ合う際の姿勢がとても印象に残った。

 初心者や未経験の子供たちと基本的なテニスの動きやゲームの流れを教える時間は、一緒にプレーしながら、子供たちが楽しめるよう、指導めいたことはせず、笑顔を見せながら、一緒に時間を過ごした。

 次のトップジュニアの選手たちとの練習になると、時折アドバイスをするのだが、最初に必ず「そのままで大丈夫」と言ってから、もう少しこうするともっと良くなる、と具体的な改善点をわかりやすく簡潔な表現で伝えていた。

 その後の会見で錦織選手は、全国大会の上位に入るようなトップジュニアの選手たちは、自分のスタイルがすでに出来つつある。だからプレーを短い時間見ただけで、ああしろ、こうしろとは言わない方が良いという趣旨の説明をした。

 イベントに参加した子供たちと同じくらいの年齢でプロを志し、必要な練習を誰に強制されるでもなく、やり続けて夢をかなえたからこそ、年齢に関係なく、同じ夢を追いかける人の気持ちがわかるのだろう。努力を重ねて強くなった人は、他人の気持ちや置かれた立場に応じた行動や言動ができるのだなと思った。



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