《めてみみ》需要の後ろ倒し

2022/03/08 06:24 更新


 新型コロナウイルス対策として、18都道府県で「まん延防止等重点措置」を21日まで延長する。変異株による「第6波」はピークを過ぎたとみられるが、感染者数の減少ペースは鈍化傾向。重症化リスクが高い高齢者施設や子供がいる家庭内での感染は続き、消費の下振れが懸念される。

 重点措置を延長したのは北海道、青森、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、石川、岐阜、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、香川、熊本で、行動制限が継続する。感染者数が急拡大した1月後半から、外出自粛や不要不急の買い物を避ける傾向が強まり、百貨店の2月売上高の伸び率は1月比で鈍化した。

 この時期に本格化する入卒などオケージョン需要は「下見のお客様が1月から来店していたが、実需につながっていない」(都内百貨店)と遅れていた。2月末になり、「ノーカラージャケットなど汎用性のあるデザインの動きが良くなり」(同)、ジャケットやスカート、ドレスなどが売れ始めた。

 卒業式や入学式は、人数の制限、式次第の簡素化などで開催するケースがほとんどだが、オンラインへの切り替えや開催の可否を決めていない学校もあるという。当然、需要は後ろ倒しとなり、取り込みが難しかった。新年度に向けて消費を回復させるには、経済、社会を平常化する以外にない。



この記事に関連する記事