田村駒、豊島、スタイレム瀧定大阪の繊維専門商社3社が関東で共同配送を始めた。2月からの試験運用を経て、4月に本格化した。千葉・南船橋の物流拠点を生かし、まずはできる分からのスタートだ。まだ各社の通関日や配送日のズレなどの調整は行わず、今後必要に応じて改善する。その拠点による共同配送率は、現状でもピーク時で約3割で「想定よりも高い水準」という。
輸入で使う船が同じだったり、取引先も重なりが多く配送先が一緒または近隣だったり。ライバルだけにいざ組むとなると、協働できる部分が多い。互いの悩み、課題の解決策を共に探る良い試みだ。
背景にはECなどの伸びで歯止めがかからないトラック運転手の慢性的な不足や高齢化、加えて「物流の2024年問題」がある。これは、働き方改革関連法により24年4月以降、トラック運転手の時間外労働時間に上限が設けられることで発生する問題の総称だ。荷主の物流コストの上昇や労働時間減でドライバーの収入が減り、人手不足がさらに加速するとみられる。
ロスを減らすにも納入側の工夫だけでは効果は限られる。アパレルメーカーや小売りの物流倉庫に時間指定で納品しても、トラックが長い行列を作り、数時間待たされることもあるという。様々なロスを減らすには取引先との協働も欠かせない。