春から子供と一緒にボルダリングを始めた。クライミングの一種で、最低限の道具で岩や人工の壁面などを登るスポーツだ。首都圏では専用のジムもずいぶん増え、東京五輪で正式種目になったことで人気が高まっている。
いざやってみると、腕力に任せて壁を登るというよりも、足の置き方やバランスのとり方など、登るまでのルートを考えるスポーツだとわかる。腕力に任せて登ろうとすると、あっという間に前腕が疲弊してしまう。大人に比べて力のない子供は、体重が軽いので上達が早い。
クライミングシューズさえあれば他に道具はいらないのだが、仕事柄、ウェアも気にかかる。あるアウトドア専門店を訪れると、様々なクライミングウェアが販売されていた。そして、ご多分に漏れずこの分野でもサステイナブル(持続可能性)を意識したアイテムが増えている。オーガニックコットンや再生ナイロンを使ったパンツのほか、縫製労働者の賃金体系に配慮したフェアトレード(公正取引)をうたう商品もある。何年も前の商品を補修するサービスも提供している。
自然環境に依拠して成立するアウトドアスポーツを楽しむ人にとって、こうした取り組みは当然のことだ。売って終わりではなく、使う人の意識に配慮した商品開発やサービスの在り方が求められている。