スマートフォンが定着したためか、リアルでの接点が制限されていたからなのか、多様なオンラインコミュニティーが生まれている。共同体や地域社会というコミュニティーは昔からあったが、最近のあまたのオンラインコミュニティーの自由度は高く、入りやすい一方で〝退会〟するのも簡単だ。
インスタグラマーやインフルエンサーによるDtoC(メーカー直販)ブランドが相次いで登場している。作り手が描くライフスタイルにひかれ、SNSのフォロワーになり、作ったものを購入している事例は多い。これらのDtoCブランドと購入者の関係もオンラインで結ばれたコミュニティーの一つだろう。
DtoCブランドの期間限定店を手掛ける百貨店担当者が「モノ軸で売れているブランドもあるが、圧倒的に人軸で人気になっている」と話していた。作り手とのリアルの接点の場としての期間限定店にフォロワーが集結するのも人軸の証し。コミュニティーの主役は人であり、オンラインの場合はそれがより顕著だ。
もっとも、ブランドの継続性や永続性を考えると、人の魅力だけでは足りない。移ろう消費者をつなぎとめるためには、モノやホームページなどでもひきつけることが欠かせない。リアル店で求められる「人・モノ・器」の重要性は、オンラインコミュニティーになっても変わらない。