上海の都市封鎖が解除され、店内で飲食提供が可能になり、日本企業による飲食店には中国人が多く来店している。健康志向の高まりも理由だが、「食材への安心」も混んでいる理由と聞く。実際、上海人にとって、日本の商品や店への安心・安全のイメージは強い。日本を知る人ほどその点が揺るぎなく見える。
しかし、市場シェアで言えば、一部に不安要素が出てきた。6月18日の〝EC販促デー〟では日本の健康食品は売り上げが激減し、米・豪の商品が伸びたという。税関の輸出手続きが遅れた影響もあるかもしれないが、安全基準をクリアした商品があふれる市場で成長を維持するためには、イメージや広告投資も大事な要素になっている。
美容もイメージが最優先される市場だが、「最近、日本発のヘアスタイルが〝湿っぽい〟という印象を持たれている」らしい。日本人のカット技術への評価は今も高い。しかしクリエイティブに欠けるとのマイナスイメージのようだ。
一方で、先端おしゃれイメージの植え付けで成功しているのが、やはり韓国という。決して一般層に広がっている話ではないが、わずか一握りのトレンドセッターによる解釈が逆風となる。日本の国・企業全体が「品質・安全」を基にしつつ、世界の先を行くイメージ発信に注力していくべき段階に入っている。