20年に第2滑走路の運用が始まり、発着便数が以前の8割増となった沖縄・那覇空港。コロナ禍の真っただ中の運用開始だったが、昨年の行動制限解除以降は国内線の運休や減便は解消し、10月の水際対策緩和で国際線も順次回復している。
22年1~2月の沖縄の観光客数は約570万人。1000万人を超えていた18、19年年度と比べるとまだ回復途上だが、前年比では2倍近く増えた。10月以降は外国人観光客も戻り始めた。宿泊施設の人手やレンタカーの不足も話題になった。
1月の週末に歩いた那覇市の国際通りでは、訪日客数の回復ぶりを実感した。土産物屋は「昨年10月の緩和以降、海外からの旅行者が一気に増えた」と喜ぶ。かりゆしウェアや首里織の雑貨などが並ぶ店にも、にぎわいが戻りつつある。
沖縄は「観光の島」「基地の島」というイメージが強いが、「工芸の島」でもある。宮古上布、久米島紬、紅型など、国の伝統工芸品に指定される16品目のうち、13品目を染め・織りが占める。70年代生まれのかりゆしウェアも独自のファッションとして全国に知られる。
最近では、廃棄していたパイナップルの葉やバナナの茎を有効活用するフードリボンのような新しい企業も生まれた。主要産業の観光業の回復とともに、繊維産業が沖縄の未来を担う一翼となることを願う。