松屋は銀座本店の名物催事「銀座の男」市を大和富山店で出張販売する。22年4月に次いで2回目で、会期も拡大する。前回は売り上げの5割がオーダー関連だったため、松屋オリジナルのパターンオーダースーツを初めて導入する。
会期は4月6~11日で、銀座本店とほぼ同じ規模・内容。会場面積は660平方メートル、スーツ2500着を揃える。2着で3万1900円(税込み)の廉価版をはじめ、国内で職人が縫い上げる限定品、好みの生地を選ぶサイズオーダーのスーツやジャケット、スラックスを販売する。
銀座本店のバイヤーや専任販売員ら社員4人と取引先スタッフの計10人が出向き、銀座本店と同様の接客体制を整える。銀座の男市は、65年から春と秋の年2回開く松屋の紳士スーツ催事だが、コロナ禍で延期・縮小を余儀なくされた。さらに働き方改革やテレワークで、スーツの需要が減少するなか、地方百貨店や企業への出張販売に踏み切った。
地方百貨店では22年9月、東武宇都宮百貨店でも行った。売り上げは目標を上回り、「品揃えだけでなく、専門知識やスキルを持った販売員の接客が好評だった」という。スーツ着用率の高い地方や企業に直接出向き、売り上げの確保と松屋の知名度向上に結び付ける。待ちの営業から脱することでスーツ需要を掘り起こす。